LV.7〜10 scenario impression -CardWirth

LV.7〜10 scenario impression

 対象レベル上限がレベル7〜10 及び全レベル対象のシナリオの感想です。

〜LV.7

ボクはひとり

 いやぁ、いままでCardWirth やってて一番おもしろかったと個人的に思ってしまったのがこのシナリオでしたね。戦闘はあまりないしストーリーも分岐がたくさんあるようなものではないのですが、お話や演出が非常にしっかりと作られていて感動してしまいました。

 以降ややネタバレ注意。まず、変愚蛮怒やSRC で戦闘は十分に楽しんでいるので、俺がCardWirth に求めているものは良くできたストーリーなんですね、たぶん。と、同時にCardWirth のおもしろさは主人公達が常に世界の中心にいる、あるいはいなければならないコンシュマーのRPG とは違って、一介の冒険者として横目で戦争を見たり、あるいは自分たちがベストな行動をとっても、それだけで世界が最良の結果になるとは限らないというある意味でリアルな部分だと思うんです。このシナリオはそういった部分を十二分に活かして、素晴らしいストーリーになっていると思います。

 夢を見たのがプレイヤーの名前が付いてるキャラだったこともあって、ストーリーにものすごく感情移入してしまいました。良質なストーリーものを求めている方はぜひどうぞ。◎ (2003/01/10)

ヴィジョン・クエスト

 イイ!! 写真をフルに使った背景と素晴らしい音楽によってなされる演出は、まるで映画を見ているかのような印象でした。そしてストーリーのキモの部分も実に引き込まれるもので最後はホロリと来てしまいました、ハイ。と同時にCardWirth のゲームとしての側面も忘れられておらず、随所にミニゲームなどが入ってプレイヤーを飽きさせない作りとなっていました。

 敵が相当強いので7レベルか、あるいは戦闘が苦手な人はもっと高いレベルでやった方がいいかも知れません。しかしシナリオをプレイすれば感動できること請け合いなので、是非ともたくさんの方にプレイしていただきたいシナリオです。○ (2003/02/08)

満腹食堂の大戦

 短編のダンジョン探索・戦闘シナリオ。短編ですがきちんと展開があり、戦闘もあり、冒険活劇としてしっかりと描かれていて素晴らしいです。さくっと楽しめる短編シナリオを探している方には是非おすすめ。○ (2003/01/10)

シロッコの遺品

 ダンジョン探索に時間や疲労の概念を持ち込んだ意欲作。しかも意欲作なだけじゃなくてかっちりと作られているので素晴らしいです。オートマッピングもついていますので安心。なのですが、筆者のような方向音痴だと荒野で迷うかも知れません(^^;。また、毎日寝るようにしないと大変です。

 以下ネタバレ攻略情報。松明がいっぱいいてめんどいーという人は『隠者の庵』シナリオでスキル「魔法の灯」を買っていきましょう。経済的です。その場合でも松明一個は持ってた方がいいです、たぶん。ロープは4,5本欲しいです。俺は最初2本買ったけど足りなくて後で4本買い足しました。

 アイテムを結構買わなくちゃいけない&宿にも泊まった方がいいのでお金にはちょっと余裕が欲しいです。そうしたら後はじっくり探索してみましょう。ダンジョン探索ものが好きな人には是非おすすめです。○ (2003/01/10)

6つの魂

 薬を探す依頼を受けた冒険者達であったが…。演出などがきちんとされていて安心して楽しむことの出来るシナリオだと思います。最初に提示される依頼料がやや高すぎるのが気になりましたが、他には特に欠点などもなく楽しめました。連作の第一作目のようですので今後の展開に期待したいです。(2003/02/21)

不思議な博物店

 聖北教会から『掃除』の依頼を受けた冒険者は…。導入が唐突な感じがしましたが、全体的には無難に楽しめるダンジョンものではないでしょうか。最後のボス戦の音楽がややイメージにあっていないような感はありましたが、さっくり楽しめるそれほど長くないダンジョンものをお探しの方にはおすすめしたいです。(2003/02/21)

時の囚われ人

 冒険者は軽い気持ちで洞窟に入ったのだがそこは…。ダンジョンものですが謎解きの難易度はそれほど高くなく、そういったものが苦手な人にも安心して楽しめるシナリオでしょう。ただ最後の敵は強いので注意が必要です(倒せなくてもシナリオクリアは出来る模様)。手に入れたアイテムは忘れずに冒険者に持たせておいた方がいいみたいです。封印を解く説明がやや複雑だったのですが、そこに情報カードを使ってくれていたのには好感が持てました。ストーリーの凝り具合も冗長ではなく、ちょうど良かったように感じました。安心して楽しめる短めのダンジョン、戦闘ものをお探しの方は是非。(2003/02/14)

俺達探検隊・前編

 「宇宙をさまようヤツ」の続編です。今回はパーティで砂漠を探索し、村を目指します。ただ自分にはやや難易度が高く感じられ、村まで行き着くのは結構大変でした。力尽きてしまうこともしばしば。また、おまけモードも搭載されているようなのですがそれはますます厳しい(^^; ようで、とりあえず3回クリアしたのですがなんの称号ももらえず…。一度クリアした場合に済み印をつけるか選択できるのですが、そこで済み印をつけずにもう一度やるとオープニングからになってしまうのはちょっと残念なところ。是非ゲームオーバーになってしまったときのように砂漠の探索から始められるようにして欲しいと思います。

 とはいえ、作者さん自作によるMIDI は相変わらずいい感じだし、ミニゲーム的な探索ものとしては非常によくできていると思いますので、前作が気に入った方はプレイしてみるといいと思います。(2003/02/13)

宇宙をさまようヤツ

 冒険者が宇宙を探索してしまうシナリオ。作者さん自作による音楽や背景で、非常に雰囲気が出ていていい感じです。話もコミカルすぎず真面目すぎずで、CardWirth で宇宙を扱うにはちょうどいいバランスのように感じました。複数回プレイが要求されますが、経験点はそれほど多くないので他のPC と差がついてしまう心配はあまりないかと思います。True End までたどり着くのは結構大変なので、プレイにはちょっと根気が要求されるかも。ちょっと変わった探索ものがやってみたい方には是非お勧め。(2003/02/10)

エルム司祭の護衛

 非常にしっかりと作られたマルチエンドもののシナリオ。分岐での選択によってシナリオの展開が全く変わってくるのですが、どの分岐でもしっかりと作られているところは素晴らしいです。また、村の成り立ちなどさまざまなバックグラウンドについても描きこまれており、そのことがシナリオ自体に安定感を与えているように思いました。ぜひまた別のルートでプレイしてみたいと思います。(2003/02/09)

三文戯曲

 不思議な、個性的な謎解きシナリオ。作者さんが「平凡」なシナリオを目指してみました とおっしゃっていたのでそのつもりでやったら、いい意味で期待を裏切られました。謎解きは頭が固い自分にもちょうどいい感じで楽しめました。不思議体験をしてみたい方は是非。(2003/02/06)

影たちの輪舞曲(RONDO)

 現代日本っぽい場所を舞台にした異色作です。舞台が舞台だけに好みが分かれると思いますが、話に魔法が関わってくるので個人的にはそれほど問題ないと思いました。非常に凝った演出・ストーリーになっていますのでストーリーものが好きな方は是非プレイするといいと思います。(2003/01/10)

〜LV.8

Folded Wings

 いやー、おもしろかったっす。ある魔術師との戦いを描いたバトル(?)シナリオなのですが、最後の対決へと少しずつ盛り上がっていくところが流れとして非常に上手に表現されていると思いました。また戦闘ものといっても戦闘自体は(少なくとも8レベルなら)そこまで厳しくはなく、万人に勧められそうなところも好印象でした。

 戦闘ものを意識してか探索はあまりないのですが、そのことも返ってシナリオ自体のテンポをよくしているように思いました。あまり難しいことを考えずにストーリーに入っていける、熱血シナリオにふさわしい展開は素晴らしかったです。また倒してハイ終わりではなく、その後にもきちんとお話が続くところにも好感が持てました。

 多少誤字が目に付いたのと、せっかく山を歩き回ったのにあまり得るものがなかった(^^; のは残念でしたが、ストーリー展開も上手で、熱血バトルシナリオとしては非常に楽しめました。戦闘好きの方だけでなく、戦闘が苦手な女性プレイヤーの方にも是非お勧めしたいシナリオです。◎ (2003/01/16)

太陽と、月と

 非常に良くできたダンジョン探索シナリオ。盗賊団のアジトに潜入してアイテムを取り戻すのが主な目的なのですが、ダンジョンが非常に凝った作りになっており、仕掛けがたくさんあって楽しいです。当然中には盗賊団がたくさんいるのですが、工夫次第でほとんどの戦闘を回避することができ、CardWirth というゲームの特長を上手に生かしていると思いました。

 また、何人かのNPC が登場し、話とも密接に関わってくるのですが、それぞれのキャラの背景が描きこまれているせいかあまり押しつけがましくなく、上手に話の本筋にからんでいると思いました。

 ただ、唯一の欠点は周囲を調べたり、聞き耳をたてたりする際に、いちいちPC を指定せねばならず、それが猥雑な作業で非常に面倒でした。この辺の作業を『霧を抱く…』のように役割の割り当てをしてくれればさらに良かったのですが。とはいえ、その欠点を差し引いても十分に楽しめるダンジョン探索ものでした。ダンジョン好きの方は是非。○ (2003/01/14)

ミスティック・ミステリィ

 よくできたストーリーシナリオ。このシナリオは大まかに前半の探索・ミニゲームパートと後半の推理パートに分けることが出来ます。前半の探索・ミニゲームパートはちょっと冒険者が軽い部分はありますが、どなたでも楽しめるのではないかと思います。

 後半の推理パートはトリック自体は非常に凝ったものだと思うのですが、冒険者だけでなく、プレイヤーを納得させるためにもう一工夫欲しかったように思いました。突然プレイヤーの知らないことを冒険者がしゃべり出すのはちょっとびっくりすると思いますので(^^;。また、筆者は初回プレイ時に最後の選択肢で違うものを選んでしまいどうもすっきりしない話だなと思ってしまったのですが、別の選択肢にはこんな展開があったのですか…。ということで最後の選択肢選びは慎重に。キモとなるストーリーはとてもよくできていると思いますのでストーリーシナリオ好きの方には特におすすめしたいシナリオです。(2003/03/12)

聖域といわれた森

 細かいところまで凝ったシナリオ。特に探索や戦闘に時間の概念を採用していて、それに合わせてさまざまな分岐が用意されているようです。目的地までの行程が遠く、戦闘も難しめなので戦闘が苦手な人にはちょっと厳しいかも知れませんが、戦闘好きな人には楽しめると思います。レベルごとに敵の強さを調節しているのは素晴らしいと思いました。同行のNPC に道案内をしてもらいたいなとは思いましたが、全体的に楽しめる出来だと思います。戦闘好きの方には特におすすめ。(2003/03/10)

闇を誘う鏡

 『蜃気楼の塔』の続編となるシナリオ。前作のクーポンを持っていなくてもプレイできる配慮がされているのは素晴らしいです。内容もストーリーもののダンジョン探索・戦闘シナリオとしてとても良くできていると思います。話の流れが丁寧で楽しめました。(。や?などが行頭にこないようにする)禁則処理をしていただければさらによかったと思います。

 最後の敵は戦闘好きとしては楽しめましたが、バランスという意味ではやや厳しいかもしれません。その上倒してもあれであれだったりするのはちょっと残念でした。とはいえダンジョン探索や戦闘ものが好きな方には十分楽しめる出来になっていると思います。あとがきによるとシリーズとしてまだまだ続くようですので次回作以降も楽しみです。(2003/03/05)

協奏曲<FATE>第二楽章 碧の聖域

 FATE シリーズ第二章。話の展開にやや疑問点が残る部分はありましたが、全体的によくできていると思います。特に攻略ダンジョンでのパズル的な要素は素晴らしいです。ただダンジョンをひとつクリアするごとに夜が挟まることがシナリオのテンポを少し悪くしてしまっているように感じました。この辺筆者としてはがんがん攻略させて欲しいところでしたが、作者さんとしてはイベントを重視されてのことと思いますのでなかなか難しいところです。二人パーティである分、戦闘は場合によっては厳しいかも知れません。解けていない謎がたくさんあるので、次章以降で少しずつ明らかになるのか楽しみです。(2003/03/21)

協奏曲<FATE>第一楽章 蒼き刻印

 キャンペーンシナリオ第一章。演出などが丁寧に作られていて、安心してプレイできると思います。特にこの作者さんはテキストでの表現がお上手だと思いました。ダンジョンがやや広いのが気になりましたが、他には特に不満点もなく楽しめました。パーティが分断され、その中で行動したりとイベントもいろいろ起きます。パズル的な謎解きも凝ったもので楽しめました。敵が結構強いと思ったのでレベルは高い方がよろしいかと。筆者は一本道かと思っていたのですが、マルチな展開のようで次章以降のプレイが楽しみです。(2003/03/21)

蜃気楼の塔

 壮大なスケールで描くダンジョン探索シナリオ。話が壮大で焦りました(^^;。とはいえダンジョンは良くまとまっており、好感が持てます。12階建ての塔を探索するシナリオなのですが、謎解きあり、中ボスとの戦闘あり、となかなかに飽きさせない作りになっています。

 マップ自体はそう複雑ではなく、マッピングする必要のないところもいいです。また、探索ものに良くある周囲の調査もなく、テンポよく進みます。12階建てととても広いダンジョンなのでこの判断はいいと思います。ただ扉の鑑定には「よくわからない」くらいでもいいので対応させて欲しいところでしたが。

 あとアイテムを取り逃したり、判断を誤ったりするとクリア不能になってしまうのはいただけないところ。別の場所で何らかの救済措置が欲しいです。とはいえ肝心のダンジョン探索やボスとの戦闘は良くできており、こういったものが好きな方には是非おすすめしたいシナリオです。(2003/01/20)

夢は南海をかける

 夢に魅せられた男の物語、なのかもしれませんが自分としては秘境探検ものとしてとても楽しめました。人の足がほとんど踏み入れられていないであろう場所に行ってのさまざまな体験。こういったシナリオは他ではあまり無いですよね。未知の文化や場所といったものをとても上手に表現していると思いました。

 プレイする際には敵がたくさん出てくることが多いので、全体攻撃技を持っていると楽です。エンドはたぶんベストエンドにいったのですが、作者さんはバッドエンドがお気に入りだそうです。またやってみようかな。わりと普通にクリアしてしまったのですが、後からじわじわとおもしろさが来るような珍しいシナリオでした。秘境探検を体験してみたい方に是非お勧め。(2003/01/14)

霧を抱く…

 名作として名高い『霧の街』と『霧の古城』という二つのシナリオをひとつにまとめたもの。街での情報集め・ダンジョン探索・そして戦闘とたくさんの要素が詰まったシナリオです。特に後半の戦闘は一筋縄ではいかず、はらはら・どきどきしてしまいました。

 ダンジョン探索では調査・解錠係を決めて一連の作業を自動化できるという素晴らしいシステムを採用しており、作業が楽でとても好感が持てました。ただストーリーの分岐条件が分かりづらく、筆者は普通にプレイしたつもりだったのですが、あまりいいエンドにいけず残念。是非もう一度やってみたいと思います。全体的に良くできているのでCardWirth プレイヤーならやって損なしのシナリオだと思います。(2003/01/14)

〜LV.9

協奏曲<FATE>第五楽章 金色の花

 FATE シリーズ第五章。探索もありますが、メインはストーリーにあるように思いました。今回のシナリオでストーリーの謎の多くの部分をなんとなくですが把握することができました。今までのシナリオでの関わりを活かして、PC を上手に話の本筋に絡ませていたように思います。この辺のPC の関わり合いに筆者の思い入れが大きく反映されて、個人的にうれしかったです。選曲も丁寧にされていて、ダンジョンのパズル的な要素も凝ったものでとても楽しめました。いよいよ次章が最終章、どのような結末が待っているか楽しみです。○ (2003/03/23)

見参!東方武芸団

 さっきクリアしたばっかです。いやー、おもしろかった。CardWirth でこんなに手に汗握る戦闘が出来るとは思ってもみませんでした。9レベルの6人パーティで、いつも持ってるスキル(盗賊の手とか含む)で挑んだのですが一筋縄ではいきませんでした。4人目からぐっと難しくなる感じで歯ごたえのあるシナリオでした。

 最後は怒ったので荷物袋に入ってたインチキ臭いアイテム(「鋼鉄の箱」とか)を片っ端から持ち出して倒しました(^^;。いやーでも今までの冒険で集めたアイテムを使う場所があって良かったです。今までの総決算って感じでした。

 難易度はかなり高めでしたね。5人目までは通常装備で戦ってたのですが、全滅もしばしば。特に意識不明になってしまうとその人が退場処分になってしまうのがつらかったです。筆者は回復を召還に頼ることが多いのですが、それが全部意識不明の人にいっちゃって無効になってしまうので。でもその分防御が重要になってくるので、CardWirth の戦闘としては異色な感じでおもしろかったです。

 えーと、ところでクリアした判定は+3 だったのですが、これはやばいのでは…(^^;。戦闘好き、和モノ好きの方には絶対おすすめのシナリオです。○ (2003/01/20)

前夜祭 第一部〜第三部

 ある学園を舞台にした、三部構成の異色作。全体的にコメディタッチで男の子向けのものになっています。しかし終盤にかけてなかなかに読ませる展開になりますので、ストーリーシナリオ好きの方なら楽しめると思います。第二部と第三部のはじめにこれまでのあらすじを読めるのは非常にいいと思いました。第三部は途中でセーブさせて欲しいところでしたが(^^;。ストーリーシナリオ好きの方、ちょっと変わったシナリオがやってみたい方におすすめ。(2003/03/26)

協奏曲<FATE>第四楽章 紅き記憶

 FATE シリーズ第4章。今回は情報集めがメインとなるシティアドベンチャーです。時間の概念が導入されていて、刻々と状況が変化するのは素晴らしいです。隅々にいたるまでとても作りこまれていて楽しめました。ただ筆者が下手だったのか、全ての事件を筆者の手で解決することは残念ながら出来ませんでしたが(^^;。完成度はとても高く、まさに本格シティアドベンチャーと呼ぶにふさわしい出来だと思います。前作までをプレイされた方も、また違った楽しみを味わうことのできるシナリオだと思います。(2003/03/21)

協奏曲<FATE>第三楽章 黒の牙城

 FATE シリーズ第三章。今回はダンジョン攻略がメインです。仕掛けがいろいろあって、やりごたえのあるダンジョンでとても楽しめました。演出なども前章までと同様作りこまれていて、安心してプレイすることが出来ます。戦闘はやや厳しめなので、レベルは高い方がいいかな? ダンジョンが結構広いので、多少お時間に余裕のあるときにプレイしましょう。ダンジョン好きの方、前作までをプレイされた方なら安心して楽しむことが出来るシナリオだと思います。(2003/03/21)

バトルオリンピアトーナメント

 六人のパーティ同士による天下一武道会(?)のような闘技場決戦シナリオ。同じくバトルシナリオである『見参!東方武芸団』に比べると難易度は易しめなので、より多くの方が楽しめるのではないかと思います。筆者は全員LV.9 のパーティで挑戦したところ結構楽に勝ってしまったので、バトル好きの方はあえてもっと低いレベルで挑戦してみてもいいと思います。バトルの前日に顔見せ的に相手となるパーティと話ができ、なんとなく相手の特徴が予想できるのは非常にいいと思いました。戦闘がそれほど得意でない方でも、育てた自分のパーティを存分に活躍させたい方には是非おすすめのシナリオです。(2003/03/17)

名を知らぬ者

 写し身の洞窟というダンジョンを探索するシナリオ。写し身の洞窟と言うことで、筆者はレベル9でプレイすればいきなり最後にいけるかなーと思いプレイしたのですが、最初のダンジョンからのスタートでした(^^;。ということでこのシナリオは3回ダンジョン探索を楽しむことが出来るシナリオです。レベルは1, 5, 9 あたりで一度ずつ行くのが適性なのではないかと思います。ストーリーとダンジョンがやや切り離されてしまっている感はありますが、ダンジョン攻略には工夫が必要なのでダンジョン好きな方には絶対楽しめると思います。またやりこみ要素もあるようなので、そういったものが好きな方も是非。ダンジョン好きの方には是非おすすめしたいシナリオです。(2003/03/10)

生宝

 短編ではありますが味わい深いシナリオ。バックグラウンドまできちんと描きこんでいるところがそうさせているのかな。選択もあって、遊びも多く、戦闘もありとさまざまな要素が詰まったシナリオ。短編でありながら対象レベルにあった話のスケールになっているのは素晴らしいと思いました。安心して楽しめる高レベル対象作を探している方は是非。(2003/02/01)

666の獣

 死亡事故の調査依頼からアレイスター・クロウリーと対決するシナリオ。なのですが、個人的にはクロウリーと対決する動機作りがちょっと薄いかと。せっかく聞き込みが出来るのだから、もうちょっとクロウリーに周りの人が迷惑しているという風にすれば「やってやるぜ」となったと思うのですが。とはいえ全体的には普通に楽しめる、雰囲気のあるシナリオだと思います。(2003/02/01)

〜LV.10

平和への願い

 短編ながらも洗練されたストーリーシナリオ。MIDI の選曲など演出のレベルが高く、プレイヤーは作者さんが狙ったであろう緊張感のあるシリアスな雰囲気にかなり浸ることが出来ると思います。またもらったアイテムの使いどころやその他のスキルへの対応など、ゲーム性も非常に高いものになっており、単なるストーリーシナリオとして終わっていないところも素晴らしいです。筆者は使わずに攻略できましたが、謎解きが難しい方のために攻略テキストもついています。戦闘は、筆者は9レベル事前ドーピングなしでちょうどいいくらいと感じました。安心してプレイできる高レベル向けのシナリオをお探しの方は是非。○ (2003/03/26)

blade of dragonslayer 〜影の津波〜

 『blade of dragonslayer 第一章 〜アーセラン王国の傭兵団〜』続編。今回は砦の防衛のためPC が一隊を指揮します。会議やシミュレーション的な戦闘など、さまざまな場面で隊長であるPC を存分にロールプレイさせてくれます。特にシミュレーション的な戦闘は説明も親切でゲーム性もあり、防衛戦の感じをよく表現していて非常に好感が持てました。

 前作同様作者さんのホームページにてレベルごとの紹介がされていますので、筆者は推奨とされるレベル9 でプレイさせていただきました。雰囲気作りが素晴らしく、戦争の中におかれたPC が上手に表現されていると思います。クーポンの点数が多いのがやや気になりましたが、前作をプレイされた方は必ずプレイしておくべきシナリオといえると思います。○ (2003/03/19)

隻腕の剣士

 非常に丁寧に作られたストーリーシナリオ。特にテキストでの表現が非常に詳細でわかりやすく、素直に感情移入することが出来ました。このシナリオは一人の冒険者の一人称から物語を展開します。そのことで感情移入を容易にしており、作者さんの試みは成功していると思いました。また選曲についても凝っていてより場の雰囲気を盛り上げていたと思います。配布されるアイテムなどプレイヤーへの配慮も十分になされていて好感が持てました。

 ワンシーンがやや長い場面もあり、なかなかセーブできないのは個人的に少しつらかったですが、凝った演出を実現するためには仕方のない部分もあり、この辺はなかなかに難しいところです。とはいえ、詳細に描かれたストーリーは十分にプレイヤーの心に響いてくるものだと思います。かなり長めですが、ストーリーものが好きな方には是非おすすめしたいシナリオです。○ (2003/03/17)

墓石の街

 近未来ハードボイルドアクション。作者さんによる雰囲気作りが非常にお上手で、こういう雰囲気が好きな方にはたまらないシナリオだと思います。マルチエンドですが、詳しい攻略法が書かれたHTML ファイルと2回目のプレイから序盤がスキップできる機能が付属しており、ストーリーを安心して楽しめる工夫がなされているのは素晴らしいです。アイテムの選択次第では戦闘がやや厳しいかもしれませんが、ストーリーだけでなくさまざまな場面でプレイヤーに考えさせるゲーム性もあり、多くの人が楽しめるシナリオだと思います。特にちょっと退廃的な、カッコイイ雰囲気が好きな方には絶対おすすめ。○ (2003/03/16)

パンダのお見合い

 ミニイベント満載のなごみ系(筆者が勝手にカテゴライズ^^;)シティ・アドベンチャー。プレイしていてとても楽しく、音楽なども含めてなごみ系として非常によくできていると思います。思わず笑顔になってしまうような展開もしばしばでとても楽しめました。導入部分でちょっと引いてしまうかも知れませんが、ぜひ最後までいろいろなイベントを楽しんでみて欲しいと思います。こういった緊張感のそれほどないシナリオもまたいいなーと思いました。こういったシナリオが得意な女性プレイヤーの方にはもちろん、男性プレイヤーの方にも是非おすすめしたいシナリオです。○ (2003/03/14)

夕陽の丘で

 奇妙な歌声について調査するシナリオ。最初の音楽は宿屋を出たところで変えて欲しいところでしたが、地味ながら筋の通った話で良くまとまっていると思います。難易度も筆者のレベル1のパーティでもクリアできましたので、低いレベルから楽しめます。このシナリオでPC の一人に吟遊詩人のクーポンをつけることが出来ますので、吟遊詩人志望がパーティにいる方に特におすすめのシナリオです。(2003/04/01)

戦場の炎

 冒険者が傭兵となり、遊撃隊として戦争に参加するシナリオ。このシナリオ内のオリジナルスキルである「命令システム(仮)」はリーダーに持たせるといい感じでおもしろい試みだと思います。完全な遊撃隊なので自分でどこに行くかも決めねばならず、戦争に参加している感じはちょっと薄いかも知れませんが、自分のパーティを戦闘で活躍させる実感を持つことはできると思います。筆者は最終的に謎なルートに行ってしまいました。で、おまけでびっくり(^^;。悔しかったのでレベル10で再挑戦してどうにか倒しました。シナリオ本体は、戦闘好きの方にはそれほど高くないレベルでのプレイをおすすめします。おまけは別ですが(^^;。(2003/03/30)

闇に誘われし者

 初期のWizardry のようなワイヤーフレームによる3D ダンジョンシナリオ。筆者は普段カードの描画をもっとも遅くしてプレイしているのですが、このシナリオは最速にしてプレイしました。オートマッピングがついているので迷うことはないのですが、なかなかに広いダンジョンなので謎解きなどのための往復は少しつらいです。敵も強いので高レベルでのプレイをおすすめします。難易度の高いダンジョンシナリオをお探しの方におすすめ。(2003/03/30)

水面下の鼓動

 護衛の依頼を受けた冒険者が暗殺者を捕まえるシナリオ。まずは情報集めからなのですがこれが非常に難しく、出会えるかどうかは運にも左右されるかも知れません。また聞き込む人がいなくても時間経過してしまうのはつらいところです。最後の敵が強いので高レベルでのプレイをおすすめします。クリアするのは大変ですが、その分達成感のあるシナリオだと思います。(2003/03/30)

クリアラ遺跡の探索

 ダンジョン攻略シナリオ。どのダンジョンも良くできていて、なかなかにやりごたえのあるシナリオです。敵がかなり強いですが、途中でやめてもまたそこからやり直せるように作られているのは素晴らしいです。最後の敵であれを使うとあーなってしまうのは賛否両論あるかと思うのですが、自分としては歯ごたえのある戦闘も楽しめました。扉の鑑定に対応していないのは少し残念ですが、やりごたえのあるダンジョンものをお探しの方は是非。(2003/03/26)

協奏曲<FATE>第六楽章 皓き世界

 FATE シリーズ最終章。今回はストーリーがメインとなります。演出、テキストともに丁寧に描かれていて、前作までのストーリーを理解されている方なら満足のいくシナリオに仕上がっていると思います。

 以下最終章ということでこのシリーズの総括を。メインはストーリーにあると思うのですが、同時に常に作者さんのプレイヤーを楽しませようとする姿勢が感じられて素晴らしかったです。システムや戦闘など、細やかな部分まで非常に凝っていて楽しめました。このシリーズを最後まで続けてプレイできたことを幸せに思います。と同時にこれだけの大作をゲームとして妥協することなく完結させた作者さんに敬意を表したいです。(2003/03/23)

至高の一品

 ノリのいい料理対決シナリオ。その手の漫画が好きな方ならきっと楽しめると思います。NPC もいい感じだし、演出も丁寧にされていて好感が持てました。分岐ポイントはやや微妙なものがあると思うのですが、おなかがそれほど減っていないときに、気軽な気持ちでぜひ多くの方にプレイしていただきたいシナリオです。(2003/03/15)

名を知る者

 『名を知らぬ者』続編。前作同様、ダンジョンを探索するシナリオです。また前作ではすっきりしなかったストーリーもこちらで完結します。一階層ごとに中ボスが登場し、戦闘シナリオとしても楽しめます。ベストエンドを見るには前作からの行動がカギになるので注意が必要です。個人的にはB エンディングでも満足でしたが。前作を楽しめた方なら十分満足行く出来だと思います。(2003/03/10)

妖刀 紫苑

 非常に優れたストーリーシナリオ。作者さんがノベルシナリオと書かれているとおり、このシナリオには戦闘はありません。しかし、作者さん自作によるグラフィックによる場の雰囲気の表現、文章の読ませ方などのプレイヤーへのアプローチが実に優れており、知らず知らずのうちにプレイヤーはストーリーに引き込まれます。また性格診断システムによりPC がそれにそった活躍をするので、自分のPC に思い入れのある人も楽しめると思います。

 シナリオをプレイし終わったあとには「妖刀の取り扱い説明書」もあり。これもおまけとしては十分に楽しめるものでしたが、是非妖刀が変化した場合の説明も入れて欲しいと思いました。初めてプレイしたときは手に入れたアイテムの説明だと勘違いしてしまったので。マルチエンドの説明は配布元のホームページ にて解説されていますので、一度プレイし終わって複数のエンドを見たいかたはそちらを参考になさるとよろしいかと思います。

 作者さん自作によるグラフィックで表現される背景やキャラの表情、MIDI の入れ方など演出が特に優れており、ストーリーもの好きなら是非一度はやっておくべきシナリオだと思います。(2003/03/09)

愚者の楽園

 地味ですが非常によくできたストーリーシナリオ。作者さんはかなり後味が悪いシナリオ と書かれていますが、冒険者が数多くこなす依頼の中ではきっとこういった話もあるだろうという意味で非常によくできていると思います。そのあたりCardWirth というゲームの特性を上手に活かしていると思いました。またストーリーにメッセージが読みとれる部分にも個人的に好感が持てました。短編の良質なストーリーものをお探しの方におすすめ。(2003/03/08)

blade of dragonslayer 第一章 〜アーセラン王国の傭兵団〜

 戦争ものの連作第一話。敵は妖魔の国なので相手はモンスターさん達です。CardWirth のシナリオをプレイするとき筆者はよくどのレベルでプレイするか迷ってしまうのですが、このシナリオは作者さんのホームページ でレベルごとに丁寧に紹介されていますのででそういった心配は無用です。筆者は推奨とされるレベル8でプレイさせていただきました。

 やや軽い部分があるので多少好みが分かれるかと思いますが、個人的にはとてもおもしろく感じられました。戦闘は連戦になりますが、燃える展開として上手に描かれていたと思います。手紙を情報カードとして使用していたのは理にかなっていて良かったです。報酬が多めな部分がやや気になりましたが、戦争で自分のパーティを活躍させてみたい方には是非お勧めしたいです。(2003/03/06)

オルゴールは鳴き続く

 丁寧に作られた読み物シナリオ。読み物シナリオなだけにゲーム性はあまりないですが、短編ながら丁寧に書かれたテキストは優れていると思います。「ちょっといい人」な冒険者をロールプレイできるシナリオをお探しの方におすすめ。(2003/03/06)

押忍!男闘虎塾

 俺のパーティーには一人の戦士系PC がいた。彼は強かったのだが無口なヤツでレベル6だというのに技能を「なぎ倒し」と「ざくろ割り」(隠者の庵) の2つしか持っていなかった。そんな時宿に一人の漢が訪れる。そしてその漢が出した契約書に、彼は何気なくサインをした。それが彼と男闘虎塾との出会いだったのである。(中略)

 名前を見ればわかると思いますがこのシナリオは某漫画のパロディです。ですが漫画として読むのではなく、CardWirth シナリオとしてプレイすることで、自分が体験しているかのような気分にとらわれてとても楽しめます。なんとなくカクガリ先生ではなく、常にモヒカン先生に治療してもらっていたのは俺だけでしょうか(^^;? アツイ漢の物語ですのでパーティーに戦士系の漢がいる方には是非オススメ。逆に女性PC はちょっと送り込みにくいかも(^^;。最後の敵は恐ろしいほど強力なので心してかかりましょう。戦闘好きな方や熱血ものが好きな方は絶対楽しめると思います。

 レベル10になり、彼は再び男闘虎塾に帰ってきた。彼の持つ技能は増え、当時とは比べものにならないほど強くなっていた。男闘虎塾の門を見上げる彼。そして…。(2003/02/11)

新天地ケレス

 ストーリーはスケールの大きな話ですが、シナリオをプレイする分にはそのことをそれほど感じさせず、楽しめると思います。このシナリオで個人的に高く評価したいのは戦闘バランスです。「無茶苦茶強いけど、絶対倒せないわけではない」という強さはまさに絶妙。戦闘マニアにはたまらないものだと思います。最後の敵は本気で強いので、戦闘が得意な人でも事前ドーピングをしてから戦った方がいいです。「俺のパーティは無敵だぜ」と思っている方におすすめ。引退前の一本としてどうぞ。(2003/02/01)

団地妻 〜如月さやかは生きている〜

 現代日本を舞台にした異色作。特に始めは冒険者が一切出てこないでストーリーが展開するので人によっては違和感を覚えるかもしれません。自分は如月さやかさんを主人公として読んでましたが。PC が登場するまではまるでヒーローものでヒーローの登場を待ちこがれるかのようにPC の登場を期待してしまった自分の心理がおもしろかったり。

 話がかなりきつめなのでそういった話が苦手な方にはおすすめしません。ですが背景を巧みに利用した演出は大変素晴らしく一見の価値があります。また、戦闘が結構つらいので勝ちたければ全体攻撃スキル+賢者の杖は欲しいです。とはいえ負けてもストーリーは展開するので問題はないのですが、やっぱ悔しいし。

 肝心のストーリーも大変読ませるもので、キツイ話が苦手な方でなければ楽しめると思います。ただ個人的にはちょっと違和感を覚えてしまった部分もありましたが、この辺は好みの問題ということで。演出だけでなく、CardWirth で長文を読ませる工夫も素晴らしく、CardWirth で読み物シナリオを作ってみようという方は参考にするといいと思います。また随所に遊びやギャグが挿入されておりプレイヤーを飽きさせません。CardWirth シナリオだからと難しく考えず、一本のビジュアルノベルを楽しむつもりでやってみるといいと思います。(2003/02/01)

白と赤

 非常に丁寧に作られた推理モノのシナリオ。ほとんどのものが鑑定に対応しているなど、丁寧すぎて焦ります(^^;。とはいえ、推理自体はそれほど難しくはなく、安心してプレイできると思います。また、ありがちな(?)殺人事件ものでないことにも好感が持てます。同時に時々プレイヤーに質問を出したりして、飽きさせない作りになっているところもいいです。ああ言われちゃあ済マークはつけられないよねぇ…。ちょっとした推理ものがやってみたい方は是非。(2003/01/20)

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